[相続者たち] 18話～ﾖﾝﾄﾞの切なさが視聴者の心を刺激 ﾟ+｡:.ﾟ

'相続者たち' ｷﾑｳﾋﾞﾝ、哀れでこそ輝く男
ﾄﾞﾗﾏでも映画でも三角関係は、視聴者の興味を呼び起こす代表的設定の中の1つだ。特に女性視聴者たちの場合、ﾄﾞﾗﾏの中のﾋﾛｲﾝを囲んだ2人の男の愛情攻勢に感情を移入して代理満足する傾向がある。だからｼﾞｬﾝﾙ不問、多様なﾄﾞﾗﾏが三角関係を設定する。

人気下で放映中のSBS水木ﾄﾞﾗﾏ '王冠をかぶろうとする者、その重さを耐えろ-相続者たち' (脚本 ｷﾑｳﾝｽｸ / 演出 ｶﾝｼﾝﾋｮ) も、やはり三角関係を活用して視聴者を引きつけた代表的ﾄﾞﾗﾏと言うことができる。ﾁｬｳﾝｻﾝ (ﾊﾟｸｼﾈ) を囲んだ2人の男、ｷﾑﾀﾝ (ｲﾐﾝﾎ) とﾁｪﾖﾝﾄﾞ (ｷﾑｳﾋﾞﾝ) の友情と愛が明らかながらも、胸のしびれる魅力で視聴者を引き寄せている。

三角関係の設定では、必然的に愛されることができないｷｬﾗｸﾀｰが1人存在するはずだ。'相続者たち' ではﾁｪﾖﾝﾄﾞがそうだ。12月5日放送された '相続者たち' 18話では、このようなﾖﾝﾄﾞが切なく思う気持ちが視聴者の同情心を精一杯刺激した。

この日の放送で、ﾖﾝﾄﾞはｷﾑﾀﾝを避けて海辺の村に隠れてしまったﾁｬｳﾝｻﾝの家を訪ねて行った。しかし、ｳﾝｻﾝの代わりにｳﾝｻﾝの母 ﾊﾟｸﾋﾅﾑ (ｷﾑﾐｷﾞｮﾝ) と出くわした。ﾋﾅﾑはﾖﾝﾄﾞを家に呼んで温かい食卓を整えた。

ﾖﾝﾄﾞは母の不在で限りなく歪み、親しかったﾀﾝとも背を向けた。それだけに、ﾖﾝﾄﾞに母、母性愛が持つ意味は想像を超越していると言える。そんなﾖﾝﾄﾞがﾋﾅﾑの温かい食卓を通じて母性愛と似た感情を感じて涙声で話す姿は、視聴者の同情心を刺激するのに十分だった。

ﾖﾝﾄﾞが哀れに見えたｼｰﾝはもう1つある。ﾖﾝﾄﾞは学校の前でそわそわするﾊﾝｷﾞｴ (ｷﾑｿﾝﾘｮﾝ) と出くわした。ｷｴはﾀﾝの生母で、夫に追われながらも息子に会う為に学校に来たのだ。ﾖﾝﾄﾞはいち早くﾀﾝを連れて来て、ｷｴと再会するように、逃げるように助けた。

この状況は3年前、ﾀﾝとﾖﾝﾄﾞが体験したことと似ている。ただ状況は正反対だった。ﾖﾝﾄﾞの母が息子に会う為に学校を訪ね、ﾀﾝにﾖﾝﾄﾞを呼んでほしいと言った。しかし、当時ﾀﾝはﾖﾝﾄﾞを最後まで説得できず、以後ﾖﾝﾄﾞは母に会えなかった。3年前と正反対の状況で、ﾖﾝﾄﾞは秘かに自分の母を思い出して独りその懐かしさで苦々しく思った。

それだけでなく、ﾖﾝﾄﾞは懸命に自分の気持ちをごまかしてｳﾝｻﾝに別れを告げた。ﾀﾝとｳﾝｻﾝがお互いをどれくらい愛しているのかよくわかったからだ。愛する人の為に、自分の気持ちまで諦めるﾖﾝﾄﾞの姿は、視聴者の切なさをかもし出した。

'相続者たち' の序盤、ﾖﾝﾄﾞはそれこそ悪い男だった。しかし回を重ねるほど三角関係で押し出されるﾖﾝﾄﾞが、母の不在に懸命に逆らうﾖﾝﾄﾞが視聴者は哀れに感じられ始めた。同時に濃厚な感性演技で立体的なﾖﾝﾄﾞのｷｬﾗｸﾀｰを消化した俳優ｷﾑｳﾋﾞﾝはやはり輝いた。哀れなほど輝くﾖﾝﾄﾞ、そんなﾖﾝﾄﾞを演技するｷﾑｳﾋﾞﾝが、'相続者たち' の人気の要因の中で大きな役割をしている。

( ﾆｭｰｽｴﾝ ｲﾅﾚ記者の記事を訳 )