今日は寒いので、復習しながらゆったりと過ごしてるよ
最近 "ふくしゅう" って打つと、"復讐" って一発目に出てくるからちょっとビビっちゃう
9話は2つ復習記事を上げるね
'ピノキオ'、マスコミが作り出した歪んだ国民の英雄
英雄というのは、無力な小市民には真の切実な存在だ。相変らず全くでたらめな英雄の物語が映画で大金を稼ぐのを見れば、小市民の胸中に固まったものがいかに多いのかがわかる。そんな一方では、韓国にはあまり英雄がいないという感じも持つようになる。もちろん近頃のような時に、美談は危険なことがある。現実をごまかす口実に利用されることがあり得るからだ。ところが、それでも英雄が登場することを願う心は隠すことはできない。誰か現れて苦しい胸中をさっと解くことさえできるならば、多少の危険は甘受することができるのだ。
さあ、ドラマ "ピノキオ" に英雄が登場した。飲酒運転の取り締まりから逃れて逃走した車が雪道でスリップして、ギプスをした足で道を渡っていた少年を襲おうとしていた瞬間だった。これを見たキジェミョンは、瞬間的にアクセルを踏んで滑る車に向かって突進して、おぞましい事故を免れるようにした。ところが、その場にMSCのニュースカメラがいた。ものすごい偶然だった。しかしジェミョンとイナの悪縁が続く、望まなかったさらに呆れた偶然まで加わった。
偶然MSC放送局の前で、ソンチャオクとイナの関係を知るようになったジェミョンは、このチャンスをただ見過ごそうとはしなかった。すでに血を見たジェミョンは、本来の優しい性格を失った状態であり、自分の弟と知らないダルポの疑わしい行動に、記者に対する怒りがさらに刺激された状況だった。ジェミョンの頭は迅速に戻った。病院に訪ねてきてインタビューを要請するイナを見て、本来の善良な表情のふりをした。
その姿を見たダルポ、いやジェミョンの弟 キハミョンは本能的に危険を察知して、イナをその場から連れ出した。そして理由をいう訳には行かないが、ジェミョンとこれ以上接触するなと懇切に頼んだ。意外にイナはダルポの要請を聞き入れた。もしかしたら記者として不可能な約束をしたのかもしれない。ラインの1陣やキャップがインタビューを指示すれば、従うしかないインターン記者であるイナとの不安な約束だった。
しかしその不安は、全くとんでもないところで炸裂した。チャオクの周辺に近寄るジェミョンを記憶するカメラ記者が、何も知らなかったイナにジェミョンとチャオクの13年前の悪縁を教えてやったのだ。その事実によって、13年間捨てられなかった片方だけの靴の意味を知るようになり、母恋しさのイナは母が買ってくれた靴をゴミ箱に捨ててしまうほどの怒りに包まれることになった。ダルポとしては、どうにか隠したかった真実がとんでもないところで膨らんでしまったのだ。その真実が持たらす悲劇のにおいがあまりにも濃厚だ。
しかし、その時は近づく悲劇に恐れることもできない。13年前、1人の英雄を卑怯者に責め立てて、それによってある家族を粉々に砕けさせたチャオクが、今回は全く違う方式で英雄を作り出しているという事実だ。もちろん単に交通事故の件だけをおいてみるならば、ジェミョンは私たちがそのように望んでいた英雄そのものだった。しかしチャオクのMSCは、ニュースの視聴率の為にジェミョンを必要以上に褒め称えた。もちろん美談が必要な大衆の必要性をかいて、視聴率を上げようとする目的だけのことだった。
TVの影響力は恐ろしい。ジェミョンは英雄を越えてスターになった。しかし問題はジェミョンをスターに作っているチャオクが、ジェミョンの正体を知っているという事実だ。もちろんジェミョンが、過去に父を謀略した3人を殺した殺人者という事実までは知らず、また知ろうと思うこともなかった。ただ美談の主人公に作る為の事実だけ選び出して大衆に伝達した。そんなジェミョンの理由を伝達して、真心が全く込められていない謝罪をして、真実を伝達するという確約をしているということだ。
そして時間が流れてダルポによって、あるいはどんな経路でもジェミョンの殺人が明らかになるならば、その時もマスコミは同じように型にはまった口調で謝罪することであり、それよりは2つの顔の殺人魔としてやはり視聴率を上げるのに血眼になるだろう。今回もその殺人の原因というファクトよりは、英雄の後ろでさえぎられた殺人者というインパクトだけを煽るのは明らかだ。だからジェミョンの存在は、復讐よりはそのような浅はかなマスコミの実体を剥ぐ役割がより一層大きい。だから切なくてまた痛快だ。