キムレウォンとパクシネ、衝突して深くなる愛、奇跡の為の挑戦が美しい
奇跡は起きないのが正常だ。そのために奇跡なのだ。無謀に見えるが、奇跡を見つめて努力すること、そんなことが私たちの生活でもある。ただ1%の可能性を持つ奇跡を希望にして、私たちは前に進むために努力する。愛も仕事もということだ。
ジホンの病院での役割とは;
妊婦の交通事故を置いてジホンとヘジョンの葛藤、奇跡の為の彼らの挑戦が美しい
病院屋上から飛び降りようとしていたナムヘとナムダルの父 ナムパラムをヘジョンは引き留めた。父を失った子供たちの未来を考えてと言うヘジョンの言葉は、言う事がまっとうすぎる声でない、経験からにじみ出た真心だった。子供の為の行動だといえ、ひどい現実から抜け出そうと思う弱さをヘジョンは暴き、強靭に父の名前で子供たちと共にすることができるようにさせた。
医師の役割というのは、ただ病気になった患者を救うことだけではない。病気にならないように予防することも、やはり医師の役割の中の1つという点で、ヘジョンの行動はもしかしたら医師の本分ではないかという考えになる。ヘジョンのこのような行動は、結局自分の父との関係もやはり変化するしかないということを予告する。
プライドが地に落ちたソウは、新しい愛に会うことになった。ただ気楽な友達としてだけ考えたヨングクがフッと入ってきてしまった。投げ出すこともできないこの愛を、ソウは用心深く眺めるばかりだ。葛藤がいっぱいだったヘジョンとの関係は、父によって他の変数を迎えることになった。
自分でないヘジョンを特別だと考える父の行動にソウは慌てた。いつも自分だけを愛してくれるものだと考えていた父が、他でもないヘジョンと比較して彼女の前で面と向かって責めるような行動にソウは腹が立つしかなかった。こんな彼らの関係は、以後繰り広がざるを得ない対立点をより一層強烈にさせるしかないという点で重く近づく。
激しい発言をしてソウの頬を殴ったミョンフンの行動は、もう元に戻すことはできない状況を作ってしまった。ミョンフンの味方は、自分の父以外にはいない。医療民営化を導く国会議員と財閥が存在するが、彼らもお金でなければ共にする人物でないという点で、ミョンフンは孤立という単語がさらに似合うほど追い込まれた状況になった。
自分が活用したかったヘジョンは、過去手術室で仕損じて死なせたカンマルスン患者の孫娘という事実が困難に陥らせている。優れた実力にスター性まで備えた医師という点で積極的に活用したいが、彼女が成長するほど自分の過去が全て現れることもあり得るという点で不安なだけだ。
ジホンもやはり同じだ。ジョンズ・ホプキンス大学出身の優れた彼は、グクイル病院の未来の為にも最も重要な人材だ。しかし、彼が他の誰でもない、ホジェの息子という事実がミョンフンをとても疲れさせている。最も強力な存在が、決して自分の味方になり得ないという事実は負担になるしかないということだ。
ヘジョンはどんどんジホンを心配する。特別でない仕事まで干渉することになる状況が何だか申し訳ないのだが、それが愛という点でジホンは嬉しいだけだ。医師に薬を薦める行為がおもしろい。そうやって自分の為に気を遣うヘジョンが有難いジホンは、忙しい日程の中でも彼女の為に朝食を作ったりもする。
ジホンとヘジョンの愛は、そうやって自分より相手をより一層大きく見つめてますます高まり始めた。このような彼らにも意外な変数は近づいた。医師という職業を持つ彼らは、患者を置いて意見を表して葛藤を生じさせ始めたからだ。妊婦が交通事故に遭って意識がない状況で、救急室に運ばれてきた。
あまりにも大きな事故と、手術しても回復が不可能な患者を置いてジホンとヘジョンは正反対の意見を出しあう。ジホンは手術ができないと言い、ヘジョンはそれでも奇跡を望んで手術をしなければならないと言う。最も重要なのは家族の意見というヘジョンにアマチュアだと反論して、医師として所見を出さなければならないというジホンは衝突するしかなかった。
愛するが、それでもその愛で人を生かす仕事をする医師という職業まで揺れることはできない。奇跡を望んで少しの間でもお腹の中の子供と妻が共にすることができることを願う夫の気持ちを伝え聞いたジホンは、自分を振り返る。自分もやはり父の意志と関係なく、彼を生かす為に心肺蘇生術までしながら執着した。
ヘジョンをアマチュアだと責め立てたが、ジホンもやはり自分の父の前では同じ存在であるだけだった。そうやってジホンは自分の考えを引っ込めて、家族の望みを聞いて手術に出る。しかし奇跡は起きなかった。不可能に近い状況で、奇跡はただ奇跡という名前だけで存在するだけだった。ただし、子供が母親のお腹の中を出ても暮らせる時間まではどうにか持ち堪えることができるようにさせると言うことが、医師である彼らができる最善だった。
すべての患者を生かせば良いが、そうできないのが現実だ。奇跡は簡単に起きない。劇的という状況が時々起きるが、それは言葉どおり奇跡であるだけで日常になる得ることはない。こういう現実的な悩みと悲しみが、もしかしたらドラマ <ドクターズ> をより一層特別にさせているのかもしれない。
老人病院を建設して大きな収益を得るというミョンフンと違い、ジホンとテホは外観を広げることよりは内実を固めることがより重要だと強弁する。外観拡張の為に途方もない費用を使うことよりは、内実を固めることがより有効という話である。
病院は金儲けをする所でなく、患者を治療する所というジホンの発言は重く近づく。ミョンフンは徹底して病院も金儲けのための空間でなければならないと確信する。そして医療民営化のために、グクイル病院株式会社を設立して、途方もない富を創り出すことが当然だと考える人物だ。しかし、人の生命を生かす高貴な行為である医療は、そんな金儲けの手段になってはいけない。
ジホンは誰の助けも受けずに、600億の研究投資を受けた。そうやって理事会でジホンは金儲けにだけ汲々とした病院でなく、病院本来の任務に充実しなければなければならないと強弁した。病院財団の福祉システムを改善して、医師と患者が共存する空間を作らなければならないというジホンの願いが無条件に成り立つことができないので、'奇跡' と呼ばれるようにならないことを願う。
庶民の財布をはたいてそれでも足りずに命まで威嚇する民営化戦略は、結局少数の為に多数を犠牲にさせる政策、その以上でも以下でもない。 徹底して利己的な計算を通じて、合理化という名目で多数を死に追いやる国家基幹産業の民営化は、絶対なされてはいけない理由を <ドクターズ> は医療民営化を遠回しに言って話している。


