'兄貴' のコドゥヨンは、視力を失って挫折した元国家代表柔道選手だ。ドギョンス (23) の出演作を併せて、最も挑戦的なキャラクターと言うに値する。クォンスギョン監督の称賛のように、"俳優としてのドギョンスの強みは、深いまなざし" であるが、ドゥヨンはそのようになみなみとしたまなざしを暗転させなければならない役割であるから。 反抗的な高校生を延期した初めての映画 'カート' (2014、ブジヨン監督) 以後、アイドルグループ EXOのディオと俳優ドギョンスの間を行き来して、いつの間にか3年目。全世界のステージを駆け巡る歌手活動と映画撮影・PRを併行するのに忙しい毎日の中で、彼は揺れることなく自分だけのペースを身に着けていた。
- 昨年12月の撮影を終えて1年ぶりに映画を見た所感は?
"びっくりしました。'僕があのように演技したのかな? 今ならば、あのようにしないはずなのに…' と思いながら1人でびくびくしました。声の大きさやセリフの伝達力にも、'語調にもう少し高低があればどうだったのだろうか' という物足りなさが残ります。今は '神と共に' (2017年封切り予定、キムヨンファ監督) を撮影中で、この前はウェブドラマ '肯定が体質' もおもしろく撮影しました。逆に考えてみれば、'去る1年間、僕がそれだけ成長したんだな' と思いたいです"
- ドゥヨンという人物になるまで、多くの準備が必要だったと思う。EXOの活動とどのように併行したのか?
"(所属芸能人の管理に厳格な) SMエンターテインメントのイメージのせいなのか、俳優活動と関連して誤解する視線がありましたよ。作品の選択だけは会社でも僕の意見を全面的に尊重してくれます。主にナムギョンス本部長と相談する方です。この映画を通じて、以前見せることができなかった姿を見せたい欲がありました。劇中ドゥヨンは視力を失った後に廃人になりましたが、希望を持って性格が明るくなったり、また他の悲劇を体験して成長するキャラクターです。そんな感情変化を、自分の中にきちんと積み重ねて演技したかったんです"
- '国家代表柔道選手' という設定が負担になったと思う。視覚障害の演技も簡単ではなかっただろう。
"柔道の姿勢がぎこちなく見えたくなくて、4ヶ月程暇が出来るたびに懸命に訓練しました。練習しただけは (映画の中に) 出てきたと思いますが、本当に運動選手のように体つきを作ったら良かったと思います。準備時間が迫っていて残念でした。失明のもどかしさを少しでも理解したい心で、'闇の中の対話' という視覚障害体験の展示にも行って来ました。目を開けて演技しますが、心で '僕は前が見えない' とずっと呪文をかけました。相手俳優の目を見ずに感情を捉えることが本当に難しかったです"
- 視力だけでなく、表情・語調などの他の感覚まで一緒に節制するような印象を受けた。
"(チョ) ジョンソク兄さんが '自ら共感したキャラクターの感情が画面でよく表現されていないと思う' とアドバイスしてくれました。僕も感じていた部分だったので、そうやって話をしてくれて本当に有難かったです"
実際ドギョンスには3歳差の兄がいる。兄は高校卒業後軍隊に行き、彼も所属事務所に入ることになって、ずっと離れて住んだ。しかしそれ以前までは、"兄がすればみんなカッコ良く見えて、オンラインゲームのIDまで真似た" と言う。ドギョンスは、"兄は体つきが大きくて、兄から譲り受けた服はいつも袖が長かったですが、それでも良かった" と言って笑った。"劇中のドゥシクとうちの兄さんは性格が全く違います。それでも兄弟愛は同じように感じられました" ドギョンスの言葉だ。
- 一番没頭したシーンというのは?
"リオパラリンピックに出場したドゥヨンは、試合を控えてドゥシクに電話をかけます。その瞬間が感情没入の最高値でした。後半のシーンですが、製作条件上クランクイン後、あまり経過せずに撮影することになりました。それでもジョンソク兄さんの声を聞くやいなや、カッとしましたよ。エンディングソング '걱정말아요 그대' も本当のドゥシクとドゥヨンの心で一緒に録音しました。撮影する時の感情を思い出して歌ってみたら、歌詞がセリフのように胸を打ちました"
- 劇中ドゥヨンは20代だが、あまりにも純粋なキャラクターだ。そうだと見ると設定された年齢よりさらに幼く感じられる '少年の感性' のセリフがあったね。俳優の立場では色々な面で悩みになったと思う。
"ドゥヨンが学校のグランドで、兄に真心を打ち明けるシーンがあります。'兄さんが助けてくれるの? 困らせる子がいたら懲らしめてくれるの?' と。ともするととても子供のように見えるようで気になりました。でもドゥヨンは本当に純粋なキャラクターではないでしょうか? ある程度そうした点を勘案して演技しました"
-去る10月公開されたウェブドラマ '肯定が体質’では、20代の映画科学生 キムファンドン役を引き受けて、同じ年頃らしく初々しいキャンパスライフを見せてくれた。
"6話の分量を6日だけで撮りましたが、本当に楽しく撮影しました。'純情' (2月24日封切り、イウンヒ監督) で共演した (イ) ダウィと一緒なのでより楽しかったです。MT・サークル・恋愛のような大学生活の思い出を積むことができずに残念でしたが、ウェブドラマを通じて間接経験したわけですから"
- 'Nフォー世代' の気だるさが自然に溶けていたよ。今20代の現実なのに共感することができるか?
"各自の状況が違うだけ、その中で感じる感情は違わないです。僕もやはりデビューする前は平凡な高校時代を過ごしましたし。劇中ファンドンとイングク (イダウィ) はつらいアルバイトをします。そのシーンを演技しながら、高校生の時に肉屋で 'バイト' した記憶が蘇りました。僕の力で金を儲けてみたくて始めて、あまり荷が重くてひどい目に遭いましたが(笑)"
- 現在撮影中である次期作 '神と共に' では、軍人 'ウォン一等兵' 役を引き受けた。死後地獄世界を描いた同名ウェブトゥーンが原作だ。ウェブトゥーンの人気が高いだけに映画に対する期待感が高い。
"'神と共に’の1・2部共に登場しますが、原作とは少し違ったキャラクターです。僕の分量は12月に撮影が終わります"
- 演技にEXOの活動までスケジュールがタイトだ。'演技にだけ専念したい' という喉の渇きはないか?
"配役の比重が大きくなるたびにそのような喉の渇きも大きくなります。でも、僕にEXOはとても大切です。両方とも上手にしたいんです。初めはごちゃまぜで忙しいだけでしたが、もうある程度その忙しさが体に沁みつきました。最近 '肯定が体質'、'神と共に' の撮影、'兄貴' のPR、EXOの活動を一度に進めました。色々なことを同時にしながらも、頭の中にはスケジュールが着々と整理されましたよ。自分に厳しい方なので、コンディションが乱れないように睡眠もまとめてとって、両方の分野を行き来して常に中心を失わないように努力します"
- そのような正しい心がけが演技にも表れているようだ。いつか演技を通してとても乱れたい心もあるのだろうか?
"あります。とてもすさまじいノワールジャンルを経験してみたいです。でも、俳優としてある方向を定めたくはないです。今自分が持っているものは年を取って自然に変わりますから。生じた姿そのまま自然に流れたいです"
( ナウォンジョン記者の記事を訳 )
インタビュー記事③につづく